ししとうがお値打ち価格でたくさん売られているのを見ると、ついつい手が伸びてしまいますよね。でも、いざお家に持ち帰ると「一度に全部は使い切れないな」と困ってしまうことも多いはずです。ししとうは意外とデリケートな野菜で、冷蔵庫に入れっぱなしにしていると、数日で表面がシワシワになったり黒ずんだりしてしまいます。
そんなときは、迷わず冷凍保存を選んでみてください。正しいやり方で凍らせておけば、一ヶ月近くも美味しさを保つことができます。今回は、ししとう特有のシャキッとした食感を逃さない冷凍のコツや、凍ったままパパッと作れる美味しいレシピについて詳しくお話ししますね。
ししとうを冷凍保存するとどんな良いことがある?
ししとうをわざわざ冷凍するメリットは、単に「腐らせないため」だけではありません。忙しい毎日の料理を助けてくれる、ちょっとした仕掛けにもなります。
まずは、冷凍保存がししとうに与える良い影響について、以下の3つのポイントから確認していきましょう。
- 冷蔵庫よりも格段に長く鮮度を保てる
- 体に嬉しいビタミンなどの栄養を守りやすい
- 包丁を使わずにすぐ料理へ放り込める
冷蔵庫に入れるよりずっと長続きする
ししとうを冷蔵庫の野菜室に入れておくと、だいたい4〜5日、もっても1週間くらいで元気がなくなってしまいます。ししとうは乾燥と冷えすぎることに弱いため、冷蔵庫の中だと水分が抜けて皮が硬くなりやすいからです。
一方で、冷凍保存であれば約一ヶ月ほどは美味しい状態をキープできます。一気に大量のししとうを消費しなくて済むので、数回に分けて少しずつお料理に彩りを添えることができます。
以下のテーブルで、保存場所による日持ちの違いをまとめてみました。
| 保存方法 | 保存期間の目安 | 麺の状態 |
| 冷蔵保存 | 4〜5日程度 | 表面から水分が抜けてシワになりやすい |
|---|---|---|
| 冷凍保存 | 約1ヶ月 | 鮮度を止めたままストックできる |
このように、すぐに使う予定がないなら、買ってきたその日に冷凍してしまうのが一番賢いやり方ですよ。
ビタミンなどの栄養を逃さずキープできる
野菜は収穫された瞬間から、少しずつ栄養価が落ちていってしまいます。特にししとうに豊富なビタミンCは、熱や光、そして時間の経過にとても弱い栄養素です。冷蔵庫でじわじわと鮮度が落ちるのを待つよりも、新鮮なうちに凍らせてしまうほうが、結果として多くの栄養を閉じ込めておけます。
冷凍することで細胞が少し壊れるため、調理したときにお出汁や調味料が染み込みやすくなるという嬉しい副産物もあります。味が染み込みやすくなれば、短い加熱時間で済むため、さらにビタミンの流出を抑えることができます。
健康のために毎日少しずつ野菜を摂りたい人にとって、栄養が詰まった状態のストックがあるのはとても心強いですよね。ししとうの緑色が綺麗なまま凍ってくれるので、見た目の栄養感もバッチリ残りますよ。
使いたい分だけサッと取り出せて便利
冷凍保存の隠れた魅力は、なんといってもその「手軽さ」にあります。小分けにして凍らせておけば、お弁当の隙間を埋めたいときや、あともう一品欲しいときに、袋からパラパラと取り出してそのままフライパンに入れるだけです。
忙しい朝にまな板と包丁を出して、ししとうのヘタを取る作業をするのは意外と面倒なものです。事前に下処理をしてから凍らせておけば、その手間をまるごとカットできます。
パラパラの状態で凍らせておくコツさえ掴めば、必要な数だけ取り出せるので無駄が全くありません。少量ずつ使えるからこそ、お肉料理の付け合わせやお味噌汁の具など、活用の幅がぐんと広がります。
ししとうを「生のまま」冷凍するときのポイントは?
一番手軽なのは、生のまま冷凍する方法です。ただ、何も考えずに袋に詰め込んでしまうと、解凍したときにベチャッとしたり、調理中に中身が飛び出したりして失敗の原因になります。
生の美味しさを守るために、以下の4つの手順を丁寧に行ってみてください。
- 水気を完璧に拭き取る
- ヘタを先に処理しておく
- 破裂を防ぐために穴を開ける
- 空気を抜いて密閉する
1. 表面の水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取る
ししとうを洗ったあとは、必ず表面についている水分をキッチンペーパーなどで完璧に拭き取ってください。水分が残ったまま凍らせると、ししとうの周りに氷の膜ができてしまい、それが解凍したときに余分な水分となって食感を損ねてしまいます。
また、水分がついているとお豆同士がくっついてしまい、一塊になって取り出しにくくなる原因にもなります。一つずつ丁寧に拭くのが理想ですが、面倒なときはザルの中でしっかり水を切ったあと、ペーパーを敷いたボウルの中で優しく転がすだけでも効果があります。
この「水気を残さない」という一工夫だけで、冷凍庫から出したときのパラパラ感と、焼いたときのシャキシャキした歯ごたえが大きく変わります。
2. ヘタを取って使いやすい形に整えておく
冷凍する前にヘタを取っておくことも、後々の自分を助けてくれる大切なポイントです。凍ったあとにヘタを取ろうとすると、指が冷たいだけでなく、身が割れてボロボロになってしまうことがあります。
ヘタの先だけを切り落とすか、手でガクの部分をペリッと剥いておきましょう。こうしておくことで、使うときに袋から出してそのままお鍋やフライパンへ直行させることができます。
もし、一口サイズに切って使うことが多いのであれば、この段階で半分にカットしておくのも良いですね。自分が一番よく作る料理の形を想像しながら、下準備を済ませてしまいましょう。
3. 破裂を防ぐために爪楊枝で小さな穴を開ける
ししとうを丸ごと加熱すると、中の空気が膨張して「パンッ!」と大きな音を立てて破裂することがあります。これは生のときも同じですが、冷凍ししとうの場合は水分が膨張しやすいので、より破裂のリスクが高まります。
安全に調理するために、冷凍前のししとうの胴体部分に爪楊枝で1〜2箇所、小さな穴を開けておきましょう。これだけで中の空気の逃げ道ができ、油跳ねや破裂を防いでくれます。
「穴を開けるのが面倒だな」という場合は、ヘタの部分を少し深めに切り落として中が見える状態にしておくだけでも代用になります。この一手間を忘れると、コンロ周りが油だらけになって掃除が大変になるので、ぜひ癖をつけてくださいね。
4. 重ならないように並べて袋の空気を抜く
下準備が終わったら、冷凍用の保存袋に入れていきます。このとき、袋の中でししとうができるだけ重ならないように、平らに並べるのがコツです。重なっていると冷え方にムラができ、鮮度が落ちる原因になります。
袋のジッパーを閉める前には、中の空気をしっかり抜きましょう。空気が残っていると酸化が進みやすく、冷凍庫特有の「冷凍焼け」という乾燥状態になり、味が落ちてしまいます。
ストローを使って空気を吸い出すか、水の中に袋を沈めて水圧で空気を抜くようにすると、ピタッと密閉できます。ここまで準備できれば、あとは冷凍庫に入れるだけです。
焼いたり煮たりしてから冷凍するほうがいい場合もある?
生のまま冷凍するのも便利ですが、あらかじめ加熱調理を済ませてから凍らせる「自家製冷食」のスタイルもおすすめです。解凍してそのまま食べられるので、あともう一品がすぐに完成します。
特に相性の良い、2つの調理方法を確認しておきましょう。
- 出汁の旨味が染みる焼き浸し
- 香ばしさが引き立つ素揚げ
- お弁当用の小分けテクニック
1. 焼き浸しにしておけば解凍してすぐ一品になる
フライパンでサッと焼いたししとうを、めんつゆやポン酢に浸してから凍らせる方法です。ししとうは加熱することで細胞が柔らかくなるため、冷凍している間に味がじわじわと中心まで染み込んでいきます。
食べるときは冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジで軽く温めるだけで、立派な副菜になります。お出汁をたっぷり含んだししとうは、冷たいままでも美味しいので、夏場の常備菜としても優秀です。
お出汁ごとフリーザーバッグに入れて平らに凍らせれば、使う分だけパキッと折って取り出すこともできます。夕食の「あと少し何か欲しいな」というときの救世主になりますよ。
2. 素揚げしてから凍らせるとコクがアップする
ししとうを多めの油でサッと揚げてから冷凍すると、ししとう特有の苦味がマイルドになり、コクのある味わいになります。油でコーティングされるため、冷凍による乾燥もしにくくなるメリットがあります。
素揚げしたものを凍らせておけば、麺類のトッピングにしたり、カレーの仕上げに添えたりと、使い道がぐんと広がります。油通しを済ませてあるので、解凍しても色が鮮やかなままなのが嬉しいポイントです。
揚げたあとは、キッチンペーパーの上でしっかり油を切ってから、重ならないように並べて凍らせてください。この一手間で、使うときに油っぽくなりすぎず、美味しくいただけます。
3. お弁当にちょうどいいサイズで小分けにして固める
調理済みのししとうを冷凍するときは、お弁当の仕切りカップなどに入れて小分けにするのが便利です。1回分ずつ分かれているので、忙しい朝にそのままお弁当箱に詰め込むことができます。
- シリコンカップや紙カップを用意する
- 1回分のししとう料理を入れる
- カップごとタッパーに並べて蓋をして凍らせる
これならお昼休みにはちょうど自然解凍されて、美味しく食べられます。冷凍庫の中でカップが動かないように、平らな容器に入れてから保存するのが綺麗に仕上げるコツです。
お弁当の彩りが足りないときに、このグリーンのストックがあるだけで、見た目のバランスがグッと良くなりますよ。
冷凍したししとうを美味しく食べる解凍のコツは?
冷凍保存を成功させるための最大の難関は、実は「出し方」にあります。間違った方法で戻してしまうと、ししとうの水分が全部抜けてしまい、シナシナの残念な姿になってしまいます。
シャキッとした食感を守るための、絶対に守ってほしい鉄則をまとめました。
- 解凍のプロセスを完全に飛ばす
- 煮物や汁物への入れ方
- 自然解凍を絶対におすすめしない理由
解凍せずに凍ったままフライパンへ入れる
冷凍ししとうを焼いたり炒めたりするとき、一番大切なのは「絶対に解凍しないこと」です。袋から出したカチカチの状態のまま、熱したフライパンに直接放り込んでください。
解凍してしまうと、凍っていた水分がドバッと出てしまい、ししとうの細胞が壊れてフニャフニャになってしまいます。凍ったまま強火で一気に加熱することで、水分を飛ばしながら表面を焼き固め、中の食感を守ることができます。
少し氷がついている場合は、油跳ねに注意しながら、蓋をして蒸し焼きにするのも良い方法です。短時間で火を通すことが、生のときのような美味しさに近づける唯一の道だと思ってください。
凍ったまま煮汁に入れてサッと煮る
煮物や汁物、スープに使う場合も同様に、凍ったまま投入するのが正解です。沸騰しているお出汁の中に直接入れれば、ししとうの色が茶色くなるのを防ぎ、鮮やかな緑色をキープできます。
ししとうは火が通りやすい野菜なので、お鍋に入れてから長い時間煮込む必要はありません。お豆腐や他のお野菜に火が通ったあとの、仕上げのタイミングで入れるのがベストです。
煮汁がししとうの中までスッと染み込んでいくので、短時間でも十分に美味しく仕上がります。お味噌汁の具材に困ったとき、冷凍庫からししとうをパラパラと入れるだけで、香りの良い一杯になりますよ。
自然解凍を避けることがベチャベチャを防ぐ秘訣
冷蔵庫や常温でゆっくり溶かす「自然解凍」は、ししとうにとっては一番苦手な戻し方です。時間をかけて温度が上がっていく間に、ししとうの組織から水分が分離してしまい、食べる頃には水っぽさが際立ってしまいます。
生のまま冷凍したししとうを自然解凍すると、独特の苦味やエグみも強く感じられるようになってしまうので、まず美味しくありません。お菓子や一部の果物とは違い、ししとうは「熱で一気に戻す」のが鉄則です。
もしどうしても事前に解凍したい場合は、前述した「調理済みのもの(焼き浸しなど)」に限ります。生のストックを扱うときは、常に「凍ったままが最強」と覚えておいてください。
冷凍ししとうを使ったおすすめの食べ方は?
ストックしてあるししとうがあれば、メイン料理からおつまみまで、あっという間に作れます。冷凍することで味が染みやすくなっている特性を活かした、3つのレシピを紹介します。
忙しい夕飯時に役立つ、時短メニューの参考にしてくださいね。
- ご飯が止まらなくなる佃煮風
- お肉の旨味を吸わせる炒め物
- 麺料理を格上げする揚げ浸し
甘辛い味付けでご飯が進む佃煮風
冷凍ししとうを細かく刻んでから、お醤油、みりん、お砂糖で甘辛く煮詰める佃煮は、最高の「ご飯の友」になります。冷凍することで繊維が少し柔らかくなっているので、短い時間で味が芯まで染み込みます。
フライパンに少しの油をひいて凍ったままのししとうを炒め、調味料を入れて水分が飛ぶまで煮詰めるだけです。仕上げにたっぷりの鰹節や白いりごまを振れば、香ばしさがプラスされてさらに美味しくなります。
これがあれば、ご飯が何杯でもいけてしまいますし、冷めても美味しいのでおにぎりの具としても優秀です。一度にたくさん作っておいて、冷蔵庫で数日かけて楽しむのも良いですね。
お肉と一緒にパパッと炒めるオイスターソース炒め
豚バラ肉や鶏肉と一緒に炒めるメインおかずも、冷凍ししとうがあれば5分で完成します。お肉の脂とししとうのほろ苦さは相性抜群で、オイスターソースのコクが全体をまとめてくれます。
- フライパンでお肉を炒める
- お肉に火が通ったら、凍ったままのししとうを投入する
- 強火でサッと炒め合わせ、オイスターソースと少量の醤油で味付ける
ししとうは凍ったまま入れることで、お肉の旨味をスポンジのように吸い込んでくれます。野菜のシャキシャキ感を残したいので、調味料を入れたら手早く火を止めるのがコツですよ。
麺類のトッピングにぴったりな揚げ浸し
そうめんやうどん、そばを食べる時のトッピングとしても、冷凍ししとうは大活躍します。あらかじめ揚げてから凍らせておいたものなら、麺を茹でている間に自然解凍させるか、つゆの中にそのまま入れるだけでOKです。
生のまま凍らせたものを使う場合は、フライパンで多めの油で揚げ焼きにしてから、めんつゆにドボンと浸してください。お出汁をたっぷり吸ったししとうを麺に乗せるだけで、いつものシンプルな麺料理が豪華な一品に変わります。
大根おろしやおろし生姜を添えると、さらにさっぱりといただけます。彩りが寂しくなりがちな麺料理に、鮮やかなグリーンを添えてあげましょう。
ししとうを保存するときに気をつけたいことは?
最後に、冷凍保存を安全に、そして最後まで美味しく楽しむための注意点を確認しておきましょう。どんなに便利な方法でも、守るべき期限やししとうならではの個体差があります。
以下の3つのポイントを頭の片隅に置いておいてください。
- 期限は1ヶ月以内を目安にする
- 空気に触れると味が落ちる
- 「当たり」の激辛個体への対処法
1ヶ月を目安に早めに使い切る
冷凍庫は魔法の箱ではありません。どんなにしっかり密閉していても、時間が経つごとに少しずつ「冷凍焼け」という乾燥が進んでしまいます。一ヶ月を過ぎたあたりから、ししとうの香りが弱まったり、色が少しあせてきたりすることがあります。
せっかくの美味しいししとうですから、風味が落ちる前に回転させていくのが一番です。冷凍庫の奥の方に入れてしまうと存在を忘れてしまいがちなので、手前の方に置くか、日付を大きく書いて管理するようにしましょう。
使い忘れないための工夫として、私は「週末の冷蔵庫整理」のタイミングで、冷凍庫の端切れ野菜を全部使ったチャーハンや焼きそばを作ることにしています。これなら一ヶ月経つ前に、綺麗に使い切ることができますよ。
乾燥を防ぐために密閉性の高い袋を使う
ししとうは水分が命の野菜です。冷凍庫の乾燥した風にさらされると、すぐに中身がスカスカになってしまいます。保存袋は、なるべく厚手で密閉性の高い「冷凍用」と書かれたものを選んでください。
ジッパーが甘かったり、袋に小さな穴が開いていたりすると、そこから冷凍庫のにおいが移ってしまうこともあります。お豆の香りを守るために、袋を二重にするのも良い方法です。
もし数本だけ残ってしまったときは、ラップでピッチリと包んでから袋に戻すようにしましょう。小さな空気が美味しさを奪う原因になるので、とにかく「ピタッと密閉」を合言葉にしてください。
たまに混ざっている「激辛ししとう」の見分け方
ししとうを食べていて、突然「うわっ、辛い!」という個体に当たったことはありませんか。10本に1本くらい混ざっていると言われるこの激辛個体は、冷凍しても辛さが消えることはありません。
激辛のししとうには、いくつか特徴があります。
- 形が極端に歪んでいる
- 表面がツヤツヤしすぎず、少し硬い感じがする
- 香りが他のものより強くて鋭い
- 中の種が極端に少ない
調理する前に「これは怪しいな」と思うものがあれば、半分に切って種の状態を見てみましょう。もし本当に辛いものが苦手なら、その個体だけは除けておくか、細かく刻んで薬味として使うのが賢い対処法です。逆に辛いのが好きな人は、その個体を「当たり」として楽しんでみてくださいね。
まとめ:ししとうは冷凍して賢く使い切ろう
ししとうは冷蔵だと足が早い野菜ですが、冷凍保存をマスターすれば約一ヶ月もの間、美味しさをストックしておくことができます。生のまま凍らせるときは、水気を拭き取り、ヘタを取り、穴を開けるという3つのポイントを守るだけで、調理時の失敗をぐんと減らせます。
食べる時は「解凍せずに凍ったまま調理する」ことが、食感を損なわない最大の秘訣です。煮物や炒め物、さらにはお菓子感覚の佃煮まで、冷凍ししとうの使い道は驚くほどたくさんあります。たくさん手に入ったときは、ぜひ今回のコツを思い出して、無駄なく最後までししとうを楽しんでくださいね。